『法輪寺』第35回フォトコンテスト入賞 撮影:臼井設備 臼井 久範 氏

『法輪寺』第35回フォトコンテスト入賞 撮影:臼井設備 臼井 久範 氏

かわいい草花

カンシロギク

水野 博子 氏 (安井管工業㈱)
水野 博子 氏 (安井管工業㈱)

 寒白菊またはスノーボールギクはキク科フランスギク属の半耐寒性多年草である。しかし、高温多湿に極端に弱いため日本では一年草として扱われている。

和名の由来は、花付がよく株全体を真っ白に覆うように見えるところが北極を連想させることにより一般名として定着している。まだ寒い12月ごろから翌年6月までの長期間マーガレットによく似た白い花を付ける、芯の管状花は黄色。

会議コーナー

定 例 理 事 会

1.開催日時   2月2日(水)

           午後3時

 

1.開催場所   水 道 会 館

 

1.理事定数   17名

 

1.出席理事   17名

お知らせコーナー

事務局職員採用

事務局職員を採用しました。よろしくお願いします。

 

 

     木田 千鶴 

 

     抱負

 

            初めての業界で不慣れなことが多くご迷惑をおかけすること  

      もあるかと思いますが、一日も早く戦力になれるよう努力して 

      まいりますので、今後とも宜しくお願いいたします。

 

          水野 貴大 

 

     抱負

 

            未経験ですが、一生懸命勉強し仕事を覚え、一日でも早く組  

      合に貢献できるように頑張りますのでよろしくお願いします。

 

     原   淳 

 

     抱負

 

            未経験からのスタートとなり、不慣れな点も多く、ご迷惑を   

      お掛けしてしまうこともあるかと思いますが、丁寧な仕事を心

      掛け、一日でも早く皆様のお役に立てるよう努力してまいりま

      ます。ご指導のほどよろしくお願い致します。

青年部会コーナー

第178弾定期夜間勉強会

開催日令和4年1月19日

参加人数16名

技能開発部会・青年部会共催

 

 今回の定期夜間勉強会は株式会社システムズナカシマ様を講師にお招きして、「Zoomをよりマスターしよう」をテーマに開催しました。

 Zoomというのは、パソコンやスマートフォンを使ってウェブ会議と呼ばれている、インターネットを利用した会議を簡単に行うことができるアプリケーションのことです。

 まず初めに、Zoomアプリのインストールから始まり、ログイン方法、操作方法の説明を受け、講師の方にウェブミーティングを主催していただき、そこに参加者全員で参加し、Zoomの基本的な操作方法を実体験しました。

 さらにZoomについて詳しくご説明をいただき、「ミーティング」という参加者が同じ画面を共有して、映像と音声をお互いにやり取りし、参加者の全員が確認できる方法のほかに、「ウェビナー」といって、ウェブ会議主催側のホストが時間指定をして開催でき、ビデオ、オーディオ、画面を共有操作で出来る、講演会やセミナーのような方法もあることの説明を受けました。

 そして、ウェブ会議に参加する基本的なマナーとして、自分が発言しない場合はマイクの設定をミュートにすることや、他の参加者にミーティングに集中していただくために、自分の背景をぼかしたり、画像を変えたりする設定を教えていただきました。

 Zoomビギナーの私には新鮮な内容で、実際経験しないと分からない事を教えていただき、とても実になる勉強会でした。

 この経験を活かし、この先Zoomでウェブ会議に参加するシーンがあれば早速実践したいと思います。

 

 

                     青年部会 瑞穂支部 桜田雅己

特集コーナー

新春トップインタビュー(その2)

■管工事業を取り巻く事業環境

 コロナ禍においては機器不足により納期の遅延等で多少の影響はありますが、業務量には影響は出ていません。ただ、給水装置工事への詐欺的商法が横行し市民生活への影響が懸念されますので、信頼を掲げた名水協としては、事例の収集・分析やホームページで注意喚起を行っています。

 名古屋市上下水道局との連携関係は、平成8年の水道法改正で規制緩和が進んだことにより、局との距離が遠のいていたきらいがありましたが、近年、上下水道局における組織再編や防災対応などのリスクマネジメントの観点から災害時における応急復旧工事等の協力に関する協定や仮設給水栓の設置などに関する協定を締結するなど再び連携が深まってきております。

 防災関係については、名水協と上下水道局の共催で総合防災訓練を合同で実施したり、上下水道局主催の訓練にも積極的に参加しています。災害時における応急給水栓の設置につきましては市内全217施設の半数以上を受託し、震度6以上の地震には上下水道局の指示がなくても設置することとなっており、責任の重さを痛感しています。

また、地域のみなさまが自ら操作して飲料水を確保できる地下式給水栓を市立小中学校に整備されています。名水協は、この地下式給水栓の操作を習得された方を登録するアドバイザー制度の普及に協力するため、学区訓練への参加や区関係防災訓練へ積極的に参画して周知を図っています。

 特に市民生活に近い区役所との連携は緊急時には必須と考えており、区役所へ実態説明を積極的に行っています。先だっては今年4月に就任した区長さんのところに上下水道局の飯田局長とともに地域に根差した名水協の防災活動など実態を説明させていただきました。

 こういった私どもの防災に対する地域に根差した取組が評価され、平成29年に名古屋市防災表彰をいただきました。

 

 ■2022年の事業戦略は

 先ほども申しましたが、詐欺的商法への注意喚起をホームページの活用を含めてしっかり呼びかけていきたいと思っています。

 防災関係については、これまで以上に想定内の幅を広げ、不測の事態に備える体制の充実、技術力の向上を図っていく所存です。

一方、防災関係以外の上下水道局関連業務についても充実を図っていく所存です。上下水道局では現場職員の減少や営業所統廃合といった組織再編を進められています。局としてもお客さまサービスが低下しないような方策を講じられておられるようですが、これらに対し名水協としては名古屋上下水道総合サービスと連携して上下水道局事業を補完できるよう積極的に事業活動を展開していかなければと考えております。具体的には満期メーター取換業務や修繕センター体制の充実を図っていきます。とくに満期メーター取換業務について受託化が進み、来年度からタブレット端末を活用したシステム変更等業務の内容が大幅に変更しますが、信頼に応えるため組合員間の連携を深めて、しっかり負託に応えていきます。より一層お客さま、地元のため名水協として上下水道局のご指導をいただきながら責任を果たして参る所存です。

 

特別寄稿コーナー

感染症対策と上下水道

名古屋市上下水道局 営業部営業部長 原 晋也

 

 名古屋市指定水道工事店協同組合及び組合員の皆さまにおかれましては、日頃から名古屋市の上下水道事業に格別のご理解とご協力を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 また、給排水設備の技術革新や、多様化するお客さまのニーズなど、さまざまな状況の変化に的確に対応するため、技術の研鑚やお客さまサービスの向上に、日々、努めておられますことにあらためて敬意を表するところでございます。

 さて、本市では、令和4年度に下水道事業が110周年(大正元年供用開始)を、令和6年度には水道事業が同じく110周年(大正3年給水開始)を迎えますが、その創設期においては、コレラやチフスなどの感染症への対策が大きな社会問題となっており、保健衛生上の必要性から水道、下水道の整備が進められたという経緯があります。

 当時の飲料水は、住民が個別に掘った井戸に頼ったものがほとんどでしたが、名古屋城を北端とする南北に細長く連なる丘陵上に市街が形成されていたため、地形上の理由から地下の伏流水に乏しく、井戸水の多くは雨水や汚水が地中に浸透して溜まった水というのが実態でした。井戸水の汚染や不衛生な排水事情は深刻であり、飲料に適する井戸は少なく、繰り返し感染症の流行にさらされたため、清浄な飲料水の確保と汚水の適正な排除を目的として近代上下水道の整備が進められました。

 現在においても、水道水が蛇口から飲める国は、15か国だけとも言われています。うがいや手洗いをはじめとした感染症対策としての上下水道の果たしている役割というのは、当たり前すぎてなのか、あまり喧伝されてはいませんが、諸外国に比べ、我が国の新型コロナウイルスの感染者数が比較的少ないのは、世界でもトップレベルの上下水道が大いに貢献していることは間違いないと思っており、上下水道事業や上下水道に関わる事業者様の果たしている保健衛生上の役割の重要性についてもアピールし、プレゼンスを高めていく活動も必要であると考えているところです。

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい始めてから3年目となりましたが、未だに収束する気配が見えず、今後の感染の状況もどうなるかはわかりません。上下水道局では、感染防止対策の徹底はもちろんのこと、事業継続に向けた様々な取り組みを実施しているところですが、いかなる状況においても、最も重要なライフラインである上下水道サービスを途切れさせることはできません。貴組合には、現在でも上下水道局事業の一翼を担っていただいておりますが、ますますのお力添えをいただき、感染症禍においても市民、お客さまが少しでも安心して生活できるよう、安全で安定した名古屋の上下水道の運営に寄与していただければ大変ありがたく存じます。

 今後とも、本市上下水道事業のパートナーとして、ご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

筆の泉コーナー

春の<わくわく>と<不安>

名古屋市上下水道局 契約監理課  

                主事 村瀬 良範

 

 もうすぐ春ですね。一般的に春は「出会い」と「別れ」の季節とされ、学生さんたちとっては「入学」「卒業」「クラス替え」、社会人になれば「入社」「退職」「人事異動」などの時期であり、4月から始まる「年度」がもたらす国民的慣習とも言えるでしょう。海外では日本の社会全体で利用される一元的な「年度」というものではなく、「会計」「学校」など内容に応じた使い分けをしながら「年度」を利用しているようで、なかには「トウモロコシ年度」なんてものもあるようです。

 

 私は3月頃になると自身の人事異動の対象時はもちろん、大方、異動対象外と分かっていても、何故か<ワクワク>した気持ちと少しばかりの<不安>な気持ちに駆られます。皆さんはどうでしょう。そして、この気持ちは一体何故訪れるのでしょうか。

 記憶を遡り、学生時代を思い出してみると、幼くは幼稚園の頃から、当然の如くクラス替えをほぼ毎年繰り返しながら過ごしてきました。時には仲の良い友達と同じクラスになり嬉しかったこと、友達とクラスが分かれてしまいションボリしたこと、不運にも厳しい先生が担任になり、悲しみに満ちたことなど、今でも鮮明に覚えている年もあれば、一切覚えていない年もあり様々です。幼少期より毎年のように少しずつ環境を変えながら、環境の変化に対する耐性を育んでいたのかと思います。

 社会人となった今では、新しい職場に代わることは、人間関係の変化とともに業務内容も当然変更となり、新しい知識やスキルの習得が一定量必要です。心身ともに適応するまでの間は負荷の高いことが多く、そのため、<不安>を感じることは当然の感情だと思います。では、一方の<ワクワク>する気持ちは何故訪れるのでしょう。私なりに理由を考えてみました。

 

≪現状からの解放≫

大なり小なり、現状にストレスを抱えながら日々業務と対峙しているため、そこから解放される気持ち

≪新天地への期待≫

今までの体験から新しい環境に対して、新しい人間関係が生まれたことや、自身が成長することができた成功体験などから生まれる期待

 

 改めて文字にしてみると「なるほど」と思いましたが、潜在的に未知なる新たな環境に対して、漠然とした希望を抱き、毎年、新年度に何かしら期待していることに気づきました。

 4月からスタートする「年度」は、人の「出会い」と「別れ」に対して、同時期の季節を象徴する桜が華やかに咲き、儚くも散る様子がシンクロし、情緒的であり美しい文化だと思います。昨今、学校・職場において「テレワーク」が実施され従来の働き方が変化しつつありますが、私はこれからも毎年訪れる「出会い」「別れ」の季節を<ワクワク>しながら過ごして、楽しみたいと思います。

談話室コーナー

インフラと進化とIT

熱田支部・株式会社 イナトク    

 水谷 弥仁

 

 最近面白い動画コンテンツを視聴した。人の進化系はどのように進化していくのかというコンテンツだ。最終的には指が2本になる。いやいや腕自体がなくなる。いやいや最終形態は芋虫になる。進化により何もしなくてもよくなるからだ。

 日本の人口減少により水道使用者の減少は間違いなく起きるだろう。それに伴い水道料金の上昇が起きるだろう。それでもインフラは整備しなければ使用不可能になる。最近は水道管の管理をITなどを使い、古い水道管をパソコンに打ち込み、経年劣化状態を考え、どこから手を付けていくかをITが管理してくれるらしい。インフラの整備は未来に向かって確実に行われる。まずは電気自動車の為の充電システムが広がっていくだろう。現代社会の時代の流れはとてつもなく早く流れている。以前は折り畳み携帯電話をほぼ全員が使用していたが、10年たたないうちにスペックがPC並みのスマホをほぼ全員の国民が持ち歩く時代だ。たった10年で恐ろしいほどの進み具合になっている。10年後の未来で販売している車の大半は、ほぼ全車、電気自動車になっている可能性も全くないわけではない。ましてや、自動車メーカー以外の車だらけになっているかもしれない。果たして水道インフラは全く変わらずにこのままの状態でいくのだろうか。

 自立制御された水再生処理プラント企画で、AIを用いた水処理技術によってシャワー水をその場で再生処理し循環させて使うことで、約98%以上の節水を実現するシステムが現状あるらしい。長野県の台風19号の災害地の避難所で、45日間入浴サービスを行って、約9000人以上にシャワーを提供した事例もあるみたいだ。インフラの整備が間に合わなくなる未来を予測して開発されている。未来の水道はどう変わるのか想像してみる。水素は簡単に作れる時代である。その原子に酸素原子を2個足すと水になるはずである。科学反応による水の作成や空気中からの水の搾取ができる時代がくるかもしれない。使用後の水も、排水前に水分を除去して粉末にし、地下粉末シューターに捨てる。粉末回収業者によりリサイクルされる。こんな時代はこないだろうか。それどころか、今と全く違う家に住んでいるかもしれない。空中浮遊建築物。移動式マイホーム。このような世界は想像ではあるが、はたして本当に来ないのであろうか。

 いやいや、簡単にそのような時代がくるわけが無い。10年後も30年後も絶対に。必ずインフラ整備は必要だ。だから人の手によりインフラ整備をしなければならない。未来はそんなに進化はしなかったのだ。だから自分は毎日穴を掘り、毎日配管を布設して各家庭に水を送る。とても充実した幸せな毎日を未来で送っている。しかし人口減少により人手が減り、毎日とても忙しい。しかし、相方のHR365型ロボが助けてくれている。そんな忙しい、いつもと変わらない毎日をすごす自分。その未来の自分は、バーチャルヘッドギアをつけたガラスケースの中で、バーチャル時代の生活を楽しく送っている。とても幸せだ。ガラスケースの中の自分は笑顔を絶やさなかった。隣に並んだガラスケースの中の人は、いったい何に取り組んでいるのだろうか。まあいい、多分幸せな毎日をすごしているだろう。そんな自分の体は芋虫のような体だった。

 こんなSFチックな妄想をしながら談話室の内容を何にしようか悩んでいる。こんな内容の話は組合だよりの談話室に載せられない。いや、これもまた進化である。

消防コーナー

地震に備える70

名古屋市消防局OB 近藤 博

 

昭和20年(1945年)三河地震(7)

 

 引き続き、「中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」報告書1944

東南海地震・1945三河地震 平成19年3月」の報告書を中心に、三河地震の被害をみていきます。

 

○ 三河地震(その7)

  今回からは、地震に遭遇した人の体験・手記等の記録から地震による被害

 の実態を見ていきたいと思います。

 

 報告書は、戦争末期の当時の状況について以下のように述べています。

1 就寝時の備え

  「1944(昭和19)年12月13日に名古屋の軍需工場がB29による爆撃を受け

 るようになると、空襲への備えが一層強化されるようになった。このため、

 三河地震の前日の夜も、「枕もとに防空頭巾をおき、モンペをはいて寝てい

 た」(女性・1926(大正15)年生まれ・現西尾市下永良町で被災)というよ

 うに、脱出、避難が容易になるような準備が多くの家庭でなされていた。な

 かには、「枕もとには防空頭巾のほか、救急袋(下着、水筒、カンパンなど)

 を置いておいた」(女性・1929(昭和4)年生まれ・現安城市桜井町で被災)

 というものもあった。

  さらに、約1か月前の東南海地震の経験から、「夜寝るときには防空頭巾

 を枕もとに置き、足袋をポケットに入れていた。東南海地震以降、地震に敏

 感になっていたので、ダイドコに家族が集まって寝るようにしていた」(女

 性・1915(大正4)年生まれ・現西尾市上町で被災)という場合もあった。

  しかし、地震による揺れが激しく、枕もとに備えたはずのものがどこかへ

 飛んでいってしまったり、気が動転したりしたことから、せっかくの非常持

 ち出し用物品もあまり活用されなかった。」

 前年暮から始まった、当地方への米軍の空襲に備えて各家庭で空襲に対する

 用意をしていたにもかかわらず、突然の地震にはあまり役立たなかったことが

 分ります。

 

2 地震の発生と脱出

  三河地震は、人々が就寝中の午前3時38分に発生したため、家屋からの脱

 出が遅れ、被害を増大させることになりました。

  現安城市小川町で被災した神谷保一は、その手記『三河地方の大地震』の

 中で、轟音と激しい揺れで目を覚まし、脱出を試みても揺れが激しく立って

 いることさえ難しく、激しい揺れで自分の体が意の如くに動けないが、それ

 でも必死で脱出しようとした状況を、以下のように述べています。

 

  「(前略)真夜中、突如大地震来る。がばと蒲団をはねたものの、歩行が

 できない。はって行くことも出来ない。あちらへ傾き、こちらへころげる。

 重心がとれないのだ

  始め、どーんとして大きな音響がしたと同時に、体が上へ放しあげられる

 思いがした。それから左右前後に揺られて自分の体が意の如くに動けないの

 だ。天井や柱が大音響を立てている。家全体が一大騒音を立てている。妻が

 異様な声を発してとびだしたようだ。(中略)

  妻のりゑは逸早く飛出て表口の戸の障子破片を踏み越えて門のくぐりをど

 うして明けて出たか覚えがないといふ。(後略)」

 (出典 神谷保一『三河地方の大震災』(個人蔵))

  また、倒壊した家屋からかろうじて脱出はしたものの、12月冬の午前3時

 過ぎというまだ暗い時間帯であり、発生直後にはその周辺の被害状況が闇に

 まぎれて認識できず、このことが、被災者の不安感を一層募らせる結果とな

 った様子が述べられています。

 

 そのときの狼狽と茫然自失の心境が、現刈谷市小垣江町での依佐美村役場

 臨時出張所の『震災復興事務日誌』には、次のように残されています。

  「(前略) 第二次ノ大地震ハ勃発シテ激動ハ全ク天地ヲ転倒セシメルカノ

 如ク、老幼婦女子ノ悲鳴、倒壊家屋ノ轟音相和シテ物凄ク、然カモ夜陰ノ事

 ニテ暗黒界ノ中ニ此ノ大椿事ガ展開サレタルヲ以テ、其ノ惨状名状スベカラ

 ズ。

  夜明クルマデ周章狼狽ト呆然自失ト相織リ成サレタル心地ニテ過ギ、夜明

 クルニ従ヒ、倒壊家屋ノ惨状、急角度ノ傾斜建築物ノ奇態、家具器物等ノ破

 損セル惨骸明ニ認識サレテ、又々新シキ悲惨痛恨ノ情ヲ禁ジ得ズ(攻略)」

 (出典 依佐美村役場臨時出張所『震災復興事務日誌』(刈谷市教育委員会蔵)

 

法律コーナー

高齢者に対する高価品の継続的取引の危険性

弁護士   松 永 辰 男

 

 事案は宝飾品等の販売を行う会社(以下「Y」と言います。)が、昭和7年生まれの男性(以下「X」と言います。)に対し平成21年2月から平成28年3月までの7年間に174回にわたり宝飾品等の販売取引をなし、その販売総額は5594万9490円に及び、支払代金の総額は5492万9490円に及んだというものでして、販売の対象となった商品はXにとってその生活に通常必要とされる分量を著しく超えた過大な取引であったかどうか、そうであったとしても、そのことをYにおける販売を担当した従業員が認識していたかどうかによるところ、Yの販売担当者であったCは、40年来のXの知人であり、Xは、Cが平成14年にYのB店における販売担当者となった頃からB店に通うようになり、Cは、XがB店で購入した物を最終的に確認していたこと、Xは平成21年頃からはほぼ毎日のようにC宅を訪れて夕方又は夜まで滞在していたこと、CはXの家族関係を知っており、平成21年頃にC宅にXが頻繁に来るようになったのは、Xの長男でありXの後見人であるAとの折り合いが悪いからと考えていたことが認められ、そのような事実から判断すれば、本件取引の対象となった商品の種類、分量、回数、期間の事実やXの生活状況を認識していたものと認めるのが相当であり、Cは本件取引が、Xにとって、その生活において通常必要とされる分量を著しく超えた過大な取引であることを認識していたものと優に推認することが出来る。

 しかし、どのような理由でどの商品についてどの程度の売買取引をするかは個人の自由な判断にゆだねられれていること、Xの本件取引当時の収入や資産状態のほか、Xが本件取引により支払不能に陥るとか、その生活に困窮するという状況にはなく、健全な判断能力の下で自由に形成された意思に基づき本件取引をしたのであれば、YがXとの間で本件取引をしたことが、直ちに社会通念上許容されない態様でXの利益を害する違法なものであったということはできない。

 しかし、Xの判断脳力を検討してみるに、平成28年12月には、かなりのアルツハイマー型認知症が認められ、中程度又はやや高度の認知機能の低下がみられ、平成25年12月時点では高額な取引をするに必要な判断能力は相当程度低下していたものと認められ、平成25年12月以降の取引によるXの支払い済みの売買代金総額は1636万6970円となり、これが損害となるが、後見人であり、Xの長男の落ち度も3割は認められ、過失相殺すると1145万6879円となり、これに弁護士費用115万円を加えた1260万6879円が損害賠償金額になる、と判決しました(東京地裁令和2年1月29日判決・判例時報2503号33頁)。高齢者に対する、高額品の継続的売買の危険性を考えさせられる判決です。

木祖村コーナー

木祖村だより

事務局だより

事務局だより

◎昨年、コロナ禍の中、開催された2020東京オリンピックに引き続き、2月4日から20日までの17日間に及ぶ北京冬季オリンピックが開催されました。感染者数が増えているコロナ禍の中、休日も家にいることが多く、テレビで視聴する機会が多くナショナリズムが刺激され競技に一喜一憂していました。結果として日本勢が過去最多となるメダル総数、金3銀6銅9個の18個のメダルを獲得しました。終わってみればスーツの規定違反、不可思議な採点、ドーピング等様々な問題点がありました。小さい頃よく聞いていた「オリンピックは参加することに意義がある」を思い起こして日本オリンピック協会(JOC)のHPを閲覧しましたらこの言葉は近代オリンピックの父クーベルタン男爵の創作ではなく1908年ロンドン大会で英米両チームが対立して険悪ムードだったとき、アメリカの司祭がセントポール大寺院の礼拝で述べた言葉にピエール・ド・クーベルタンが感動し、英国主催の晩餐会で引用したものだという「人生にとって大切なことは成功することではなく努力すること」という趣旨で、オリンピックの理想を表現する名句となったとありました。また、オリンピック籏の五輪は互いに重なり合う5つの輪は5つの大陸の団結と世界中の競技者たちがオリンピック競技大会に集うことを表しているそうです。

 

◎2月1日から3名の職員が採用されそれぞれの部署でがんばって従事しています。3月号「お知らせコーナー」に事務局職員採用の原稿を掲載させていただきましたよろしくお願いいたします。

 

                                (NOBU)