『生玉稲荷神社』第35回フォトコンテスト入賞 撮影:臼井設備 臼井 千智

『生玉稲荷神社』第35回フォトコンテスト入賞 撮影:臼井設備 臼井 千智

かわいい草花

ネモフィラ

水野 博子 氏 (安井管工業㈱)
水野 博子 氏 (安井管工業㈱)

 ネモフィラはムラサキ科ネモフィラ属に分類される植物の総称。ネモフィラ属は、カナダ西部からアメリカ合衆国東南部に11種類が分布する。耐寒性一年草で茎は匍匐性(ほふくせい)で横に広がる。葉には羽状の深い切れ込みがあり、茎と葉に柔毛がある。花は4月から5月に開花し、花径2㎝くらいで白に空色または青紫色の深い覆輪で、中心部に黒い点が5つある。白色花もある。属名は「林を愛する」の意味で、茂みの中の明るい日だまりに自生していることによる。ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園みはらしの丘のネモフィラが有名。

会議コーナー

臨 時 ・ 定 例 理 事 会

臨時理事会風景
臨時理事会風景

定例理事会風景
定例理事会風景

1.開  催  日  時

  臨時理事会   

   4月20日(火)午後3時

  定例理事会     

   5月  6日(木)午後3時

 

1.開催場所  水 道 会 館

 

1.理事定数  17名

 

1.出席理事  17名

 

 

専門校コーナー

名古屋建築設備高等技術専門校 入校式

穂刈校長 挨拶
穂刈校長 挨拶

愛知県労働局産業人材育成課長 野田保彦 様
愛知県労働局産業人材育成課長 野田保彦 様

名古屋市経済局産業労働部産業企画室長 田川哲哉 様
名古屋市経済局産業労働部産業企画室長 田川哲哉 様

名古屋市上下水道局      局長    飯田貢 様
名古屋市上下水道局     局長 飯田貢 様

第29期生 15名の訓練生が入校しました!!

 

   開催日 4月14日(水)

会 場   水道会館 4階  

 

 名古屋建築設備高等技術専門校は、平成5年4月開校以来28期、502名の修了生を送り出し、設備業界の第一線で活躍し事業主の方からも喜ばれているところです。

 近年、業界を取り巻く情況は引き続き厳しいものがありますが、訓練生本人のやる気、それに事業主の方の温かいご理解を得て、今年度も第29期生15名が希望に胸を膨らませ、4月14日(金)晴れの入校式を迎えました。

 入校式では穂刈校長から1年間仕事と学業の両立で大変厳しい環境におかれていますが、よく研鑽し基礎知識・技術・技能の習得や給水装置工事主任技術者をはじめ各種の資格試験にも挑戦し、全員揃って3月に修了式を迎え、建築設備業界で大いに活躍していただくよう激励の挨拶がありました。

 続いてご臨席いただいた愛知県知事 大村秀章様(代理:労働局産業人材育成課長 野田保彦様)、名古屋市長 河村たかし様(代理:経済局産業労働部産業育企画室長 田川哲哉様)、名古屋市上下水道局長 飯田貢様から励ましのご祝辞を賜り、ご臨席いただいたご来賓の紹介、1年間ご指導いただく講師の紹介が行われ、盛会の内に終了いたしました。

青年部会コーナー

第169弾定期夜間勉強会

開催日令和3年4月21日

参加人数15名

技能開発部会・青年部会共催

 

 定期夜間勉強会第169弾をレントゲンのいらない埋設物探査の内容で開催いたしました。講師には株式会社キーテック様に担当していただきました。

 現在建物の躯体部での埋設物探査はレントゲン撮影が主流となっています。ただ撮影にあたっては時間や周囲の区画・人払い・人員配置等の制約があります。

それに対し今回紹介していただいた電磁波式のレーダーは探査部上に機械を設置し、移動させることによって埋設物を透視することができるものでした。

 この探査方法のメリットとしては作業エリアがスラブ上のみで済むこと、測定後すぐに機器及び接続したモニターにて可視化することができ作業効率が高いこと、計測した埋設物をデータとして残すことができる点にあります。また通常のレントゲン撮影では不可能な深部まで探査できるうえ土間下や土中の探査も可能となります。

公共現場をはじめ施工前の現地調査や安全管理が求められることが増えています。その際の選択肢として非常に有用だと感じました。

ただ導入時のコスト面や実際に使用した際の探査結果の判断など自社だけでは難しい面もあります。探査自体も委託することができるというお話でしたので様々な方向からの活用を検討していきたいと思います。

今回は普段なかなか目にすることができない機器とその使用状況を見ることができる非常に良い機会となりました。

 

 定期夜間勉強会では様々なテーマで開催されております。日常の業務において活用できる情報を得ることができますので皆様のご参加をお待ちしております。

 

青年部会     瑞穂支部 美野 太陽

詳細

お知らせコーナー

第36回フォトコンテスト

内  容  組合だよりの表紙を飾るにふさわしい写真をお待ちいたしております。

 

               今年のテーマは『車窓からの風景

 

  作  品  カラー(横撮り)

 

 応募方法  右上の【詳細】の応募用紙を印刷して必要事項を記入の上、

        写真を添えて提出して下さい。(郵送可)

        メールでも応募を受け付けさせていただきます。

        ※応募用紙を保存して必要事項を入力し写真を添付して、

         件名に【フォトコンテスト】と記入して送信して下さい。

       メールアドレス:suidou-a@blue.ocn.ne.jp

 

 賞  金   最優秀賞  3万円 1作 優秀賞 1万円 1作

        委員長賞  1万円 1作 入 賞 5千円 9作

      

 締  切  令和4年1月7日(金)到着分まで

 

 発  表  組合だより令和4年4月号

鼎談特集コーナー

鼎談 ― 「持続可能な上下水道サービスに向けて」(その1)

 令和3年3月24日に、日本水道新聞社が企画した飯田名古屋市上下水道局長、丹下名古屋上下水道総合サービス㈱代表取締役社長、穂刈名古屋市指定水道工事店協同組合理事長による鼎談が「持続可能な上下水道サービスに向けて」をテーマに上下水道局長室で行われました。

 同新聞社に了解を得て、4月26日発行の鼎談記事を組合だより6月号と7月号の2回に分けて掲載いたします。

 

 

 自然災害の頻発化と激甚化が上下水道インフラを襲う中、新型コロナウイルス感染症の流行という新たな脅威も収束の目途が立たない。いついかなる中でも上下水道を止めず、住民生活と都市活動を守るには、さらなる防災・減災・強靭化への対策が必要だ。名古屋市内では、上下水道局のそうした事業展開と基盤強化を局の補完代行を担う名古屋上下水道総合サービス(NAWS)、市民サービスの最前線を担う名古屋市指定水道工事店協同組合がサポートする。現在の各者の災害対策に係る取組み状況とともに、将来にわたる名古屋市上下水道の持続に資する連携深化への展望を3者に伺った。

 

■南海トラフ巨大地震や気候変動の影響で頻発化・激甚化する気象災害への備えについて、緊迫性が高まっています。上下水道局としては災害対応力の強化を事業にどう位置付けて取り組まれていますか。

 

飯田 令和2年3月に令和元年度から5年間を事業期間とした「名古屋市上下水道経営プラン2028」を策定し、令和2年度が実質的なスタートの1年間でしたが、新型コロナウイルス感染症の状況が見通せない中で策定しており、収支に若干のズレが生じています。しかし非常事態下でも施設整備事業については計画通り着実に取り組んできました。その整備の内容というのが、やはり災害を意識したものになっています。基本的には地震対策と浸水対策です。

 地震対策については、阪神・淡路大震災に始まり全国で大規模地震が続く中で教訓や知見を蓄積してきました。それにより管路、施設の耐震化だけではなく、ソフト対策の重要性も強く認識しているところです。そこで経営プランでも名古屋上下水道総合サービス(NAWS)、名古屋市指定水道工事店協同組合(名水協)との一体的な対応や、他都市との連携による応急復旧体制を強化していくことを掲げています。それが実践できるよう訓練も継続して取り組んでおります。

浸水対策については、当市も平成12年の東海豪雨、20年8月末豪雨で甚大被害を受けたことから、これまで約2000億円の費用を投入して緊急雨水整備事業を進めており、過去被害のあった地域では60mm/h 対応は概成しています。しかし令和元年度に「名古屋市総合排水計画」を改定した際に、全国的な気候変動、治水の動向を加味して、もう一段目標を上げ、63㎜/hに対して浸水被害をおおむね解消するとともに 100㎜/hでも床上浸水をおおむね解消でき、市民の財産被害の軽減を図れるよう努めている最中です。しかしこうした中で発生した昨年9月の豪雨でも、依然被害が生じています。このことから引き続きしっかりと対応を進めていく必要があると再認識したところです。

災害対策としては、こうした局事業による「公助」、民間の皆さまにもご協力いただく意味での「共助」はもちろんですが、地域の皆さまによる「自助」「共助」の取組みも欠かせないものと捉えています。例えば公共施設における雨水流出抑制もその一つとして経営プランに取り入れたものです。自助・共助・公助を交えた、総合的な対策が重要と認識しています。

 

丹下 災害時対応の一翼として名前を挙げていただいたNAWSですが、前身の財団法人から株式会社に移行してから、昨年で10周年の節目を迎えました。

災害時対応という点では、弊社は局と水道施設等被災時における応急対策の協力に関する協定書を締結しており、名古屋市の応急給水・復旧に最優先で協力することとなっています。

話に出ました東海豪雨や20年8月末豪雨の時には、私自身上下水道局に在籍しており、水害の恐ろしさ、対策の重要性を肌身に感じました。NAWSは局の補完・代行の役割を担う組織ですが、「名古屋市総合排水計画」で示す “市民の命を守る”、“市民の財産を守る”、“都市機能を確保する”という観点から言えば、給排水管の取付工事や検針、施工監理、研修などの幅広い受託事業の中でも、雨水ポンプ所等の運転管理のような公的な役割を果たしていくことが特に重要だと考えています。

ただ全国各地での水害の発生状況を見ていると、ある程度予測がつく台風に比べて、線状降水帯による大雨やゲリラ豪雨は事前にわかりにくく、NAWSとしても対応に苦労してきたのが本音です。今年気象庁では線状降水帯の発生と、それに伴う土砂災害や洪水の危険度を発信する方針と聞きます。技術が進歩する中で、気象庁や民間の予測情報にも敏感になって収集していく必要があります。局の大部分の雨水ポンプ所の運転を任されているNAWSとして、その責任の重さを痛切に感じており、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

NAWSには200人程の社員が在籍しています。局の職員数が減少傾向にある中、特にマンパワーが必要な災害発生時には、NAWS、そして名水協でサポートすることで、上下水道局の職員はより重要な業務に集中できるのではないでしょうか。今後も名水協と連携し、防災力を一層強化していきたいと思います。

それにつながる取組みとして、NAWSは今年9月、本社を局の旧熱田サービスステーションに移転する予定で、現在建物の改修工事中です。改修にあわせて非常用発電機を設置するとともに、局の協力を得て、市民用の応急給水施設と、給水車に注水するための給水栓を設置することになっています。それはつまり、いつでも自社で訓練ができるようになるということです。新本社には80人程度の社員が在籍することになります。いざという時に力を発揮できるよう、日ごろから備えてまいります。

また、名水協は昨年8月に給水タンク車を局に寄贈されました。私どももそれを見習い、本社移転を機に給水タンク車を導入する予定です。自然災害が頻発化、激甚化している中、水の確保は重要なものです。仮に名古屋が無事でも、周辺市町で被害が起きることも考えられます。弊社は周辺市町の業務も受託しておりますので、近隣で災害が発生した場合も応援を想定した社員派遣訓練を実施しています。また、発災時には給水車への注水設備が生きてくるのではないかと考えています。

 

穂刈 私ども名水協も昨年設立70周年を迎えました。これもひとえに局やNAWSのご支援の賜物と深く感謝しております。また、丹下社長にご紹介いただいた給水タンク車の寄贈ですが、昨年8月1日の水の日に、名古屋城の金シャチ横丁「義直ゾーン」で寄贈式を行わせていただきました。多大なご配慮にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

元々局とは災害時協定を締結していて、阪神淡路大震災の際には復旧応援も行っております。平成8年の水道法改正に伴う規制緩和で、名古屋においても“指定工事店イコール組合員”という構図が徐々に薄くなり、一時は局と距離が遠くなった時期もありましたが、平成23年に発生した東日本大震災により、災害への備えの重要性が全国的に再認識されたことで、名水協も地域の防災訓練に参加するようになり、これが結果として局との連携を改めて強めるきっかけになりました。

その後、局、NAWSと新たな防災協定を結び、平成25年には、組合員全員参加の総合防災訓練を局とNAWSにも共催の形で全面的に協力いただき実施しました。そうした姿勢を認めていただき、翌26年には仮設給水栓を16区2基ずつ、計32基の寄託をうけることとなったのは大変名誉なことであります。

そして平成27年には局との連携のもと、名古屋市の16区長に防災協力を申し入れ、学区の防災訓練に積極参加することとなり、これが名水協という組織を一般にも広く知ってもらう大切な機会となりました。

自助・共助という言葉もありますが、局においては災害対応の点では地元との連携強化を目指していると聞いています。名水協としてもその方向性を大事にしたいと思っており、貢献していきたいと考えております。

 

丹下 今お話にあった仮設給水栓の寄託を開始したとき、それから16区に防災協力の申し入れにいった時は、私が局の営業部長でした。また、その後に区長も経験しています。

その経験から言えば、地元企業が防災や応急対策に携わってくれるというのは非常に心強いことです。これだけ災害が全国で発生している中、「水が重要だ」というのは市民も理解してくれてはいますが、なかなか備蓄等の行動には移してもらえないのが現実です。

しかしいざ災害が発生したとき、局職員はどうしても重要施設の復旧などに注力する必要があり、同様に重要視している応急給水には、局職員単独ではなかなか十分に手が届かないこともあるかもしれません。さらに宅地内の給水装置も被害を受けるとなると、やはり名水協の協力は欠かせないものだと思います。

もちろんNAWSは災害時も局の補完代行を担うわけですが、地域への直接的な災害時支援、対応という意味では、地域住民には“まちの水道屋さん”のパワーを知って頼りにしていただきたいと思います。そのことで3者の連携効果が一層発揮され、市民のくらしを守っていくことにつながるのではないでしょうか。

実は当時申し入れた16区長の中には、民間事業者が区の訓練に参加することはなかなかなじみがないところもあったのです。しかしその後実際に名水協が参加したことが突破口となって、地域防災のあり方に良い変化が生まれてきていると思っています。

 

飯田 私も上下水道局に来る前に区長経験があり、実は穂刈理事長とはその時に初めてお会いしました。今お話しいただいたように区に出向いていただき、地域防災のために協力を申し入れてくださいました。恐縮ながらそれまで名水協のことを存じあげなかったのですが、聞くと大変すばらしい取組みで、もっと区の防災担当職員などにも声をかけてしっかり準備してからお話を聞けばよかったと反省したほどでした。

局ではどうしても行き届かない、地域を意識した事業というのは名水協の素晴らしいところだと認識しています。局長として改めて事業内容を聞くと、単なる商売というのではなくて、水道事業全体、地域をどうしていくべきかという高い志は素晴らしく、これまでの地道な取組みが実を結ばれているのだと思います。

実は局では各区の営業所を統廃合して4センター化していく途中にあります。そうなると各地域からセンターまで距離が生じてしまうため、“地域に出向く”ことを意識したサービスを考えているところです。そういう意味でも、名水協と一体になって地域を大事にしていければと思い、協力をお願いしています。

 

穂刈 ありがたいお話です。三者間はもちろん、地域との連携はだんだんと強まっていると考えます。その後、仮設給水栓の寄託数は市全体の半数以上である115基まで増加しています。震度6弱以上の場合には局の指示を待たずに設置し、QRコードを使って市のHP上に開設情報を発信するという役割も担っており、重要な責務だと捉えています。

また、局、NAWSに協力・ご参加いただいている総合防災訓練も毎回工夫を凝らしており、例えば第2回の訓練では仮設給水栓設置訓練を重点的に実施しました。また、「自助」として災害時に住民の皆さんが開設する地下式給水栓をスムーズに設置できるよう地域における「地下式給水栓アドバイザー」の育成についても、局や営業所に協力して実施したところです。この一連の取組みを評価いただき、「名古屋市防災表彰」を受賞することができました。

今年度も5月に4回目となる総合防災訓練を実施予定です。局、NAWSの皆さまにもご協力をいただきますが、コロナ禍でも適応できるものを準備しておりますので、引き続き何卒よろしくお願いします。名水協は災害対応に際しては局との連携に十分役割を果たすことが使命だと捉えており、給水タンク車の寄贈はその思いの延長です。

 

■話にも出ましたが、経営プランの大きな柱として、業務集約化や組織再編など、業務執行体制の見直し、それから官民連携の推進が掲げられています。これらを経営改善の手法として掲げられた意図は。

 

飯田 経営プランの策定に当たり、改めて過去を振り返ると、給水収益が10年間で30億円以上減少しているというぬぐえない事実があります。これは節水機器の普及や生活様式、世帯構成の変化など外部要因が大きいと考えており、給水量を回復させていくことは難しいでしょう。

 さらに今後は人口減少という大きな転換期を迎えます。その中で持続可能な事業をしていくためには、冒頭申し上げた通り必要な整備はしっかりやっていく半面、経営の合理化、健全化が避けて通れない問題です。

NAWS、名水協を含めた民間事業者の力を借りながら、サービスの維持、もっと言えば向上をさせていく必要があると考え、経営プランにも掲げているところです。

具体的なところでは、まず、丹下社長から話のあった雨水ポンプ所の運転管理については、これまでに直営から徐々にNAWSへ切り替えを進めており、令和3年4月からはほぼ全てのポンプ所をお願いする予定です。

それ以外にも整備の関係では、昨年11月に稼働開始した空見スラッジリサイクルセンター下水汚泥固形燃料化事業は、当局初のDBO方式を採用しており、まさに民間の知恵を借りて効率的・効果的な整備と運転管理を実施していただいている事例です。今後の運転管理の中でさらなる成果発揮にも期待しています。さらに今後は春日井浄水場凝集沈澱池の更新に際してもPPP/PFI手法の導入を検討していきます。

業務体制という点では、先ほど触れた営業所再編は、令和6年に向けて市内4方面体制に変えていくというもので、令和3年度はまず東部営業センターが稼働を開始しました。徴収管理業務などを順次委託化し、さらに再編することで得られた人材を他の業務にシフトすることを進めているところです。

                                                     

                                                         (次号につづく)

(左)穂刈理事長(中)飯田局長(右)丹下社長
(左)穂刈理事長(中)飯田局長(右)丹下社長

特別寄稿コーナー

未知の世界へ出発、進行

正面右が執筆者
正面右が執筆者

名古屋市上下水道局 東部営業センター センター長 原口 慎也

 

 名古屋市指定水道工事店協同組合の皆さまには、日ごろから上下水道事業にご協力をいただき、誠にありがとうございます。私は令和元年度に守山営業所長、2年度に千種営業所長、そして3年度からは新たに発足した東部営業センター長としてお世話になることになりました。今回の寄稿で3年連続、かつ、営業部の建制順で昨年度と同様6月号に登場することになり、恐縮至極にございます。

 今年度の東部営業センターは、来年度の完全統合に向けての準備期間に当たり、千種の拠点、中分室、守山分室の体制となっております。当面は各窓口にて対応しておりますが、千種に1本化することになりますので、皆さまにはご不便をおかけすることになるかと存じます。ご理解、ご協力のほどよろしくお願いします。

 さて、中・守山分室の管理運営のため新任主幹が2名(来月号以降、乞うご期待!)配置されたとはいえ、100名を超える職員を預かることになりました。客観的には大変ではと思われるでしょうが、私は当局の前に交通局で2年、地下鉄の公所長として200名の職員を預かる機会がありましたので、その点は気楽さがあります。むしろ今回は、地下鉄という未知の世界に飛び込んだときの経験を綴ります。

 時は平成29年春、それまで区役所で3年、総勢4名の小さな室長を勤めていたところに「鶴舞線運転区長」への異動となりました。後にも先にも、役所生活でこの時ほど何をどうすればよいか分からないという思いをしたことはありません。仕事はダイヤ運行管理になりますが、飛び交う鉄道用語(3000形、3050形、N3000形etc.)が全く理解不能、助役、運転士、車掌の交替制職場で接する機会がバラバラといった状態で、これ区長の、と渡されたダイヤ表を眺めては「さすがに無理筋じゃないか」、「せめて自分が鉄ちゃんだったら良かったのに」と思うことしきりでした。

 そんな中、職制として運転台、車掌台に乗り込んで仕事ぶりを見る「添乗」という仕事がありましたので、意を決し、時間を見つけては赤池駅から上小田井駅までの路線を一日に何回も添乗していました。同じ時間帯では同じ人ばかりになりますので、朝一番に当日の勤務表を見て効率良く乗り込めるように計画を練っていました。誰この人、という雰囲気にも負けず、早く顔と名前を一致させることを目標にしていたところ、自然と鉄道用語も仕事も身に付いてきました。思えば半年かかりましたが、乗務員から気軽に声をかけられる関係になれたのが嬉しく、また、良い行いには表彰で報いる社風や制服・制帽スタイルも性に合いましたので、結果として役所生活の中でも屈指の楽しい時間になりました。

 これが私の経験です。鶴舞線は名鉄犬山線、豊田線と相互直通運転を行っているため、地下鉄とは異なる車両(100系、200系)が乗り入れており、ホーム柵設置が遅れております。人身事故の発生によるお客さまのご不便とともに、事故に遭遇した乗務員のことが心配になりますので、今でも大事はないかと連絡を取らせていただいております。

 ちなみに乗務員の大半は公務員職場として駅務員採用に出願しており、鉄ちゃんは少数派でした。地下鉄にも出没する鉄ちゃん、きっと添乗したいだろうなと思った次第です。

 

筆の泉コーナー

私の好きな場所

名古屋市上下水道局 北部名城水処理事務所 

                         技師 森平 祐太

 

 私は鼻が敏感なのか、色々な匂いに反応してしまう。街にあふれている匂い。人とすれ違ったときにする匂い。飲食店の匂い。植物の匂い。自動車やトラックの通った匂い。同僚のランチの匂い。上下水道局職員らしく雨の降り始めの匂い。どれも異なった匂いがする。匂いは、心身をリラックスさせたり、反対に気分を高揚させる効果がある。あるいは集中力を高めたり、安眠を誘う、記憶力を高めるといった効果もある。しかし、人それぞれで匂いの印象が違うため、その影響や効果はみんながみんな同じとは限らない。

 私は岩盤浴にはまっている。岩盤浴は50度程度に熱せられた部屋に敷き詰められた石の上に寝転んで過ごすので、寝ているだけで体が温まり、汗が噴き出してくる。岩盤浴には床から放射される遠赤外線で体の深部をじっくり温め身体の発汗を促すことにより、健康・美容・癒しなど様々な効果が期待できると言われている。これらの効果があるからはまっているわけではなく、マンガや雑誌が置いてあり、それらを手に取り横になって思う存分読みつくせるだけでなく、飲食店も併設されているので、ごはん、デザートを食べることができ1日中滞在することができる素晴らしい空間にドはまりしたわけである。

 私が行っている岩盤浴にはアロマが焚いてあり、いろいろな匂いを感じながら岩盤浴に入っている。1日かけて施設内の全岩盤浴を制覇するのだが、自然と好きな匂いのところの方が滞在時間が長い。特に、岩盤浴で森林浴を感じられる場所はお気に入りで、1番長いこと滞在している。岩盤浴を終えて家に帰ると心身ともに軽く、今までの疲れが取れ、リフレッシュできていると感じ取ることができる。これは岩盤浴の効果と、マンガや雑誌を1日読みつくし好きなことをやっているからだと言われたらそうかもしれないが、家で同じことをしてもリフレッシュできたと感じ取ることができない。やはり、岩盤浴は岩盤浴の癒し効果プラスアロマの香りの癒し効果は自分にとって至極の場所なわけである。それに加えて健康や美容効果も得られているとなるとなおさら言うまでもない。

 これからの季節、雨の匂いに始まり、夏の日差しによるアスファルトの匂い、クーラーの匂い様々なものがありますが、個人的には花火の匂いが好きなので今年は花火大会が実施されることを期待し、またプールの消毒の匂いなど好きな場所に行って色々な匂いを感じ取る機会が増えることを期待して終わらせていただきます。

談話室コーナー

サーフィンライフ

天白支部・山本水道工業所  

 山本 一登

 

 3月初旬、海水も真冬の凍り付くような冷たさも消えた頃、太平洋沖に発達した低気圧が通過する、天気図を見ながら「出来るかなあ、どうだろう?」一人でブツブツ、意を決してボードとウエットスーツを積んで2時間の道のりの中、周りの景色や空気、匂いすらも懐かしく、やがて白ずんだ空を眺めながら遠くに見える煙突の煙で風の向きを確かめて今日の波を予想する。この日から1年がスタートします、私のサーフィンライフ。

 18歳の頃、友人に誘われて学校にあるサーフィン研究会に入りました。そこは部室こそ在りましたが、まだ部に昇格せず研究会のままで、先輩たちがボードのリペアーしたり、タバコを吸いながらたむろする者やスケートボードで遊んでいる者、サーフィン雑誌を眺めている者が大勢居ました。その中の一人が私たちに向かって「サーフィンの経験は?」と尋ねてきたので「ありません。」と答えると「今からパドリングを教えるからこのテーブルに腹ばいになって」と言われ「ハイ、上体をそらして胸をはってクロールのように腹の下の水をかく、ハイ、50回続けて・・・」「これがサーフィンなんですか?」ともかくボードを手に入れ、海に行ってみよう。

 三重県の国府浜、そこはサーフィンポイントで大勢のサーファーが波乗りをしていました。そんな中、先輩方は流石です。波を乗りこなしマニューバーを描いたライディングを見て俺もあんなふうに乗りたい、それ以降ハマってしまいました。これはサーフィンに限ったことではありませんが、初めから上手く行く筈もなく、パドルとテイクオフを気が遠くなるほど繰り返していただけで想像していた事とは全く違うものでした。波の面を自由自在に滑っていく先輩たち、唇を紫色にしながらひたすら頑張る私たち。そんなことを繰り返しながら何回も、何年もやっている内に筋力、体型も変わりちょっとずつ走れるようになるともう辞められませんサーフィン病です。

 波が良い日は友達と授業をサボって海へ、バイトサボって海へ、当時の彼女にも「海と私とどっちが大事?」と聞かれながら海へ通ってました。およそ40年前の事、病気ですね(笑)私は今も現役でサーフィンに行っていますが日曜休日サーファーです。

 結婚して子供も生まれ仕事をしてお金を稼ぐ、この人並みの生活の中で私にとってサーフィンは週間のルーティンです。この水道業界の中にもサーフィンをしておられる方は大勢いらっしゃいます。それぞれの都合なり、サイクルでその人なりにサーフィンを楽しんでいると思います。私はいつまでもできる限り波乗りを続けていけたらと願っています。

 

消防コーナー

地震に備える61

名古屋市消防局OB 近藤 博

 

「稲むらの火」を知っていますか(2)

 

4 明治三陸地震と安政南海地震

(1) 明治三陸地震

明治29年(1896年)6月15日午後8時頃、三陸沖で発生した地震(マグ

ニチュード(M)8.2)に伴う大規模な津波により岩手県を中心とした三陸沿

岸で死者約22,000人、流出、全壊家屋10,000戸以上という甚大な被害を

だした、当時では我が国津波史上最大の地震のことです。

 三陸地方は、その後も昭和三陸地震(M)8.1昭和8年(1933年)3月3日、

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)(M)9.0平成23年(2011年)3月11

日と2度、大きな津波被害を被っています。

 (2) 安政南海地震

   安政元年(嘉永7年)11月4日(新暦1854年12月23日)午前9時頃に安

政東海地震(M)8.4が発生し、その約31時間後の翌11月5日(新暦1854年

12月24日)午後4時頃、安政南海地震(M)8.4が発生しました。

伊豆から四国までの広範な地帯に死者数千名、倒壊家屋3万軒以上とい

う、津波を伴なう大きな被害をもたらした巨大な地震が2日連続して発生

しました。

(出典 内閣府「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書」1896明治三陸

地震津波―平成17年3月、 1854安政東海地震・安政南海地震―平成17

年3月)

  小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がヒントにした、濱口儀兵衛(梧陵)

の偉業とは安政元年(1854年)11月5日の安政南海地震の時の行動になり

ます。

 

5 濱口儀兵衛(梧陵)

  濱口儀兵衛は、文政3年6月15日(1820年)に紀伊国広村(現・和歌山県有

田郡広川町)で生まれました。12歳の時に、江戸と銚子で大きな醤油屋を営

んできた濱口家本家(現・ヤマサ醤油)の養子となり七代目当主として家業

を継いでいました。

関東と広村を行き来する生活を送っていた儀兵衛が、35歳の安政元年(嘉

永7年)滞在中の広村で遭遇したのが安政南海地震です。

 

6 史実との相違

  「稲むらの火」には、実際とは異なる部分があります。

物語では地震動について「今の地震は、別に激しいといふほどのものでは

なかつた。」と書かれていますが、儀兵衛は地震の様子を手記の中で「其激烈

なる事前日(安政東海地震)の比に非ず。瓦飛び、壁崩れ、塀倒れ、塵烟(じ

んえんーちり、ごみ、煙等 筆者)空を蓋ふ」と記しており史実との違いが

みられます。

 農村の高台に住む年老いた村長とされている五兵衛に対して、史実の儀兵

衛は指導的な商人ではありましたが、まだ35歳でした。

 また、津波の発生日が12月24日〈新暦〉の真冬であり、儀兵衛が燃やし

たのは稲穂のついた稲の束ではなく、脱穀を終えた後の藁の山であったと考

えられます。

儀兵衛が稲むらに火を付けたのは津波を予知したからではなく、津波が迫

る中、儀兵衛が村を巡回し、村人に避難を呼びかけ、さらには津波から逃げ

遅れた人々が、暗闇の中で逃げる方向を見失わないように安全な場所へと誘

導するために、稲むらに松明で火を放ったことによります。

この時の儀兵衛の活躍が、「稲むらの火」のベースになったと考えられます。

(出典 内閣府「広報防災」平成26年度秋号(第76号)、気象庁地震・津

波パンフレット「稲むらの火」及び『濱口梧陵傳』『濱口梧陵手記』)

法律コーナー

請負人の破綻と債権債務の相殺

弁護士   松 永 辰 男

 

 Y(福岡県のことであるが)から4件の工事を請け負っていたA(株式会社)が、一つの工事だけは完了したが、残りの3工事は未完成のうちに工事続行が困難となり、福岡県より工事続行不能届出書を提出するよう指示されました。工事請負契約においては、請負人でありますAの責めに帰すべき事由により工期内に工事が完了しなかった場合は契約を解除することができると定められており、解除された場合は請負報酬額の10分の1に相当する金額を違約金として支払うことが定められていました。

 Aは破産し、破産管財人がYに対し2268万6429円の請負報酬額を請求する訴えを提起したところ、Yは違約金として2273万7637円を請求し、Aから請求された報酬額と相殺する旨争いました。福岡高等裁判所は、特定の請負契約における本件条項(破産法72条1項3号―破産者が支払停止があったことを知った後に契約解除して違約金債権を取得したもの)は破産債権ではあるが、それは契約解除された契約について発生した違約金債権に限られ、他の契約についての違約金債権とは相殺できないといって破産管財人からの請求の一部を認めました。

 それに対し最高裁判所は、複数ある請負契約が支払停止のために契約解除となり、違約金債権が発生した場合、支払停止になった時点より前に請負契約が締結されていた場合は、それら契約から発生する違約金債権と請負報酬債権とを対当額で相殺できる旨判決しました。つまり、福岡高等裁判所の判決においては、請負契約毎に考え、工事未完了により契約解除された契約の分についての違約金債権のみが請負報酬債権と相殺できるが、その他の契約から発生した違約金債権との相殺はできないと判決し、最高裁判所は、抑々施主が支払停止を知るより前の原因である請負契約に基づき発生した違約金債権であれば相殺できるとした現実的に理にかなった判決です(最高裁判所令和2年9月8日判決―判例時報2476号18頁)。

木祖村コーナー

木祖村だより

事務局だより

事務局だより

 5月5日11時に、気象台は沖縄地方・奄美地方の梅雨入りを発表し、全国で一番早い梅雨入りとなり、平年と比べ沖縄地方では5日早く、奄美地方では7日早い梅雨入りとなりました。

本州方面は平年並みか少し早いとの予想もある中、真夏日もあれば寒の戻りもある今日この頃、コロナ禍でもあり体調管理を怠らず注意が必要です。

 名古屋建築設備高等技術専門校(第29期生)の週2日の講義が4月16日(金)からスタートし、現時点で7日目を終えようとしています。

世の中はコロナ一色、感染予防をしながら、日を重ねるごとに仲間意識もでき、教室の雰囲気は穏やかでいい感じ、「少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んずべからず」講義中の訓練生の眼差は真剣であり、これから卒業までの640時間が、学びと、出会いの場として、思い出深い日々であることを願っています。

人生の彩が一つでも増えることは生きた証であり、財産です。

 老いも若きも今を生き、日々是好日でありますように。   Y・M